🎵 SOLARIS SERIES ✨
〜 S-09 〜

『雷雲の島とドラムの王』

🎶 第一章:轟音の歓迎
霧の島を抜けた先で、リオンたちを待ち受けていたのは、耳をつんざくような轟音だった。
「雷雲の島(サンダー・アイル)」。
黒い雲が低く垂れ込め、紫色の稲妻が絶え間なく大地を叩いている。
バリバリッ! ドカァァァン!
💬 「うわっ!」
至近距離に雷が落ち、リオンは思わず耳を塞いでしゃがみ込んだ。
ミミも毛を逆立てて、リオンの足にしがみついている。
✨ 『ピコ! ピコピコ!(音圧レベル危険! 聴覚保護モード推奨!)』
💬 「なんて場所だ……これじゃ調律どころじゃないぞ」
✨ しかし、進むしかない。
リオンはゴーグルの遮光度を上げ、ピコのバリア範囲内に身を隠しながら、荒れ狂う岩場を進んだ。
🎶 第二章:暴走する太鼓
島の中央には、天を衝くような巨大な塔がそびえ立っていた。
そして、その周囲を回るように、六つの巨大な「太鼓」のような円盤が浮遊している。
雷は、その太鼓めがけて落ちていた。
ドンッ! ガンッ!
雷が落ちるたびに、太鼓は凄まじい低音を響かせ、それが次の雲を呼び、さらに雷を誘発している。
無限ループだ。
💬 「あれは……天候制御システムか」
リオンは気づいた。
古代ソラリス人は、この太鼓を使って雷のリズムを制御し、エネルギーとして利用していたのだ。
だが今は、リズムが完全に狂っている。
💬 「不協和音だ。バラバラに鳴ってるから、嵐が打ち消し合わずに増幅しちゃってるんだ」
本来なら、六つの太鼓は、
『ドン・カッ・ドン・カッ』
という規則正しいビートを刻むはずだ。
しかし今は、
『ドガッ・バチッ・ド・ガン!』
と、無秩序に暴れている。
💬 「調律が必要だ。……でも、どうやって?」
あの巨大な太鼓に近づくことすらできない。
🎶 第三章:嵐の中のセッション
✨ その時、ピコが一点を指し示した。
『ピコ!(中央タワーの基部! コントロール・コンソールがある!)』
💬 「あそこか!」
リオンは岩陰から飛び出した。
雷撃を縫うように走り、タワーの入り口へ滑り込む。
そこには、埃を被った石の操作盤があった。
六つの太鼓に対応する、六つのパッドがある。
💬 「よし、これを叩けば……」
リオンはパッドを手で叩いた。
ペチッ。
あまりに頼りない音がしただけで、何も起きない。
💬 「だめか。……いや、違う。タイミングだ!」
リオンは空を見上げた。
雷が落ちる瞬間に合わせて、対応するパッドを叩き、カウンターのリズムを送る必要があるんだ。
✨ 「ピコ、雷の予測頼む!」
『ピコッ!(了解! 左3、右2、来るよ!)』
💬 「よし!」
リオンは深呼吸をして、意識を集中した。
これは演奏だ。自然という巨大な怪物との、即興セッションだ。
バリッ(左)!
リオンは左のパッドを強打した。ドン!
音が同期し、雷のエネルギーが綺麗に太鼓に吸い込まれる。
バリバリッ(右)!
タン!
「のってきたぞ!」
ドガ、バチ、ドン、タン!
リオンの打撃は徐々に熱を帯びていった。
足で地面を踏み鳴らし、体全体でリズムを取る。
ミミも興奮して、リオンのリズムに合わせて「ニャー!」と鳴く。
🎹 終章:静寂の王
やがて、六つの太鼓は完全にリオンのリズムに支配された。
ブン・チャッ・ブン・チャッ……。
正確で重厚なマーチのリズム。
すると、黒い雲が渦を巻いて晴れ上がり、黄金色の光が差し込んだ。
雷はエネルギーラインを通ってタワーに蓄積され、島全体が穏やかな光に包まれていく。
ゴゴゴゴ……。
タワーの上部から、何かが降りてきた。
それは、黄金の羽を持つ巨大な機械の鳥——「雷神鳥(サンダーバード)」だった。
この島の管理者、あるいは王だろうか。
鳥はリオンの目の前でホバリングし、金属質のくちばしを鳴らした。
カチカチ、カチカチ。
それは、正確なメトロノームの音だった。
「合格」と言っているようだった。
💬 「いいセッションだったろ?」
リオンは汗だくで笑いかけ、親指を立てた。
鳥は大きく翼を広げ、晴れ渡った空へと舞い上がっていった。
それを見送る六つの太鼓は、今は心臓の鼓動のように、静かに、力強く鳴り続けていた。
💬 「さあ、行こうか。次はどんな音が待ってるんだろうな」
嵐の去った島には、心地よい風のリズムだけが残っていた。
🎹 Solaris Series – S-09 🎶
音の旅は続く…