🎵 SOLARIS SERIES ✨
〜 S-06 〜

『ドレミの階段と迷子の猫』

🎶 第一章:鳴らない段
✨ エチュード島には、かつて音楽学校だった廃墟「旧中央図書館」がある。
リオンとピコは、古代の音響理論書を探すためにここを訪れていた。
💬 「ニャーン……」
崩れかけたエントランスに入ると、頭上から心細そうな声が聞こえた。
見上げると、螺旋階段の真ん中あたりに、小さな白い猫がうずくまっている。
どうやら登ったはいいが、降りられなくなったらしい。
💬 「待ってろ、今助ける」
リオンが階段に足をかけると、ボォォン……と低い音が鳴った。
この階段は「ドレミの階段」。音階順に踏まないと、次の段が実体化しない仕掛けになっているのだ。
ド、レ、ミ……。
リオンは慎重に登っていく。
しかし「ファ」の段に足を乗せようとした瞬間、スカッと足が抜けた。
「うおっと!」
慌てて手すりを掴む。
「ファ」の段だけ、音が壊れて消えているのだ。
🎶 第二章:ピコのジャンプ
猫は「ソ」の段にいる。
「ファ」を飛び越えるには距離がありすぎる。
✨ 「ピコ、お前なら行けるか?」
『ピコッ!(まかせて!)』
ピコはふわふわと飛んで猫に近づいた。
しかし、猫はピコを見て「シャーッ!」と毛を逆立てた。
未知の浮遊物体が怖かったようだ。
✨ 『ピ……(ショック)』
ピコがしょんぼりと少し青くなる。
💬 「音を直すしかないか」
リオンは「ファ」の段があったはずの空間を睨んだ。
共鳴石が完全に砕けている。音叉では修復できないレベルだ。
「代わりの音が必要だ」
リオンは周囲を見回した。
瓦礫の中に、長さの違う金属パイプが散らばっているのが目に入った。
「これだ」
🎶 第三章:即席の鉄琴
リオンはパイプを拾い集め、音叉で叩いてピッチを確かめた。
「これはミ……これはソ……」
何本か試して、ちょうど「ファ」の音が出るパイプを見つけた。
✨ 「ピコ、そこを持っててくれ」
リオンとピコは協力して、パイプを階段の欠けた部分に架け渡した。
「よし、行くぞ」
リオンが音叉でパイプを叩く。
カーン!
明るいF(ファ)の音が響く。
すると、パイプが光を帯び、一時的に固い足場となった。
💬 「おいで」
リオンは「ソ」の段まで駆け上がり、猫に手を差し伸べた。
猫はおずおずとリオンの匂いを嗅ぎ、やがてその腕の中に飛び込んだ。
🎹 終章:優しい和音
✨ 帰りの階段。
リオンは猫を抱き、ピコが足元を照らした。
ソ、ファ(パイプ)、ミ、レ、ド。
降りるたびに、優しいメロディが奏でられる。
✨ 地上に降りると、猫はリオンの足にすり寄って「ゴロゴロ」と喉を鳴らした。
その音に合わせて、ピコも『プププ』と小さく振動する。
💬 「仲直りだな」
リオンは笑った。
その夜、リオンたちのキャンプに新しい仲間が増えた。
名前は「ミミ」。
鳴き声が「ミ」の音に近いからだ。
リオンがスープを作り、ピコが輝き、ミミが欠伸をする。
静寂だったソラリスの夜が、少しずつ賑やかになっていく。
🎹 Solaris Series – S-06 🎶
音の旅は続く…