「おむすびくらい日常的なことなんだ」――ユイとアキラ
「おむすびくらい日常的なことなんだ」――ユイとアキラ

イテレーション、という言葉は少しだけ”硬そう”に見えるけれど、やっていること自体はとても日常的な動きに近いです。

まず輪郭だけ置くと

「同じことを、少しずつ調整しながら繰り返すこと」

もう少し手触りのある形にすると…

たとえば料理で味見をしながら調整する感じに似ています。

やって → 見て → 少し変える → またやる ——料理の味見がイテレーションの原型
やって → 見て → 少し変える → またやる ——料理の味見がイテレーションの原型
  • 一度作る
  • 味を見る
  • 少し塩を足す
  • また味を見る

この「やって → 見て → 少し変える → またやる」の一連の流れが、イテレーションです。

開発や設計の文脈だと

こんな流れになります。

仮で作って、動かして、修正して、また試す——開発のイテレーションサイクル
仮で作って、動かして、修正して、また試す——開発のイテレーションサイクル
  • 仮で作る(完成じゃなくていい)
  • 動かしてみる
  • 問題や違和感を見つける
  • 修正する
  • もう一度試す

これを何回か回していく。

💬 ユイとアキラの会話

ユイ

ユイ(新人)
イテレーションって、よく聞くんですけど……何か、難しいまじめのことって気がして。
アキラ

アキラ(ベテラン)
全然難しくないよ。実は、おむすびくらい日常的なことなんだ。
ユイ

ユイ(新人)
おむすび?
アキラ

アキラ(ベテラン)
一度作る。味を見る。少し塩を足す。また味を見る――この「やって → 見て → 少し変える → またやる」という一連の流れ。これがイテレーションの手触りだ。
ユイ

ユイ(新人)
じゃあ、開発だと?
アキラ

アキラ(ベテラン)
仮で作る――完成じゃなくていい。動かしてみる。問題や違和感を見つける。修正する。もう一度試す。これを何度か回していくことで、システムは徐々に形になっていく。
ユイ

ユイ(新人)
あ、だから私、最初から完璧なデザインに時間かけてたんだ……

ここで一つ分けて見ておくと

「一発で正解を出そうとする動き」と「少しずつ近づいていく動き」——方向がまったく違う
「一発で正解を出そうとする動き」と「少しずつ近づいていく動き」——方向がまったく違う
  • 一発で正解を出そうとする動き
  • 少しずつ近づいていく動き(イテレーション)

この2つは方向が違うんですね。

アキラ

アキラ(ベテラン)
そう、一発で正解を出そうとする動きと、少しずつ近づいていく動きは、方向が違うんだよ。

歩きながら少しずつコースを修正していく——これがイテレーションの本質
歩きながら少しずつコースを修正していく——これがイテレーションの本質

イテレーションは、「最初から正しいこと」を前提にしないで「動きながら正しさに寄せていく」方法とも言えそうです。

少しだけ問いを置くと

「一発で決めようとして重くなっている部分はどこ?」——そこを緩めるとイテレーションが入りやすくなる
「一発で決めようとして重くなっている部分はどこ?」——そこを緩めるとイテレーションが入りやすくなる

今やっていることの中で「一発で決めようとして重くなっている部分」はどこだろう。

そこを“1回転目でいい”と緩めると、イテレーションが入りやすくなるかもしれません。

🔑 まとめ

それぞれのペースで、螺旋を描きながら進んでいく
それぞれのペースで、螺旋を描きながら進んでいく

イテレーションとは、完璧を遅らせることではない。「小さく動かして、見て、ちょっと変える」循環を繰り返すことで、最初の自分には見えなかった場所へ届いていく。

最初から正しいことを前提にしないで、動きながら正しさに寄せていく。
それがイテレーションの本質です。