🎵 SOLARIS SERIES ✨
〜 S-05 〜

『ガラスのひまわりと雨の記憶』

🎶 第一章:渇いた花畑
✨ 光の橋を渡り、リオンとピコは「エチュード島(練習曲の島)」に到着した。
そこは、見渡す限りの枯野だった。
地面はひび割れ、かつての緑色は見る影もない。
💬 「ひどい乾燥だ」
リオンが呟く。
この島の水源制御システムが壊れているらしい。
ふと、丘の上にきらりと光るものが見えた。
近づいてみると、それはガラス細工で作られた巨大な「ひまわり」の群生だった。
茎も葉も透明なガラス。花弁は黄色いクリスタルでできている。
✨ 「人工植物か?」
リオンが触れようとすると、ピコが反応した。
『ピコ、ピ……(水がほしい)』
「水? ピコが言ってるのか?」
『ピコ!(違う、花の声!)』
このガラスのひまわりは、ただのオブジェではなかった。
音響エネルギーを変換して、大気中の水分を凝縮させる「降雨装置」だったのだ。
🎶 第二章:雨乞いの旋律
💬 「装置が生きてるなら、動かせるかもしれない」
リオンは一番大きなひまわりの根元を調べた。
そこには複雑な共鳴盤があり、楽譜のような紋様が刻まれている。
💬 「見たことのない音階だ」
リオンは音叉を取り出したが、どの周波数も微妙に合わない。
古代の規格なのか、それとも劣化してズレているのか。
✨ 「ピコ、解析頼む」
ピコが赤い光を放ち、紋様をスキャンする。
『ピ……ピロ……(データ破損)』
✨ 困ったリオンは、ふと、ひまわりの花弁が風で揺れる音に耳を澄ませた。
チリン、チリン……。
風鈴のような、涼やかな音。
💬 「待てよ。この音、何かに似ている」
リオンは記憶を探った。
それは、リオンの師匠がかつて教えてくれた「雨の歌(Rain Song)」のリズムに近かった。
💬 「やってみるか」
リオンは音叉ではなく、近くに落ちていたガラス片を拾った。
そして、それを別のガラス片で軽く叩いた。
カァン、キーン……。
🎶 第三章:空への共振
✨ リオンは即興でリズムを刻んだ。
ひまわりの風鈴の音に合わせ、対話するように。
カァン(問いかけ)……チリン(答え)。
キーン(願い)……チリリン(了解)。
✨ そのセッションに合わせて、ピコが青く発光し、低音のベースラインを響かせ始めた。
『ブゥゥゥン……』
すると、ガラスのひまわりたちが一斉に上を向いた。
花弁が高速で振動し始める。
高周波の共鳴音が空へ向かって放たれる。
雲のない空気が渦を巻き、急速に冷却されていくのが肌で分かった。
💬 「来るぞ!」
ポツリ。
リオンの頬に、冷たいものが当たった。
次の瞬間、ザアアァァ! と激しい雨が降り注いだ。
🎹 終章:虹色の開花
乾いた大地が水を吸い込み、焦げ茶色が濃くなっていく。
ガラスのひまわりたちは、雨粒を受けてより一層輝いていた。
まるで、本当に咲き誇っているかのように。
✨ 「成功だな」
リオンはずぶ濡れになりながら笑った。
ピコは雨粒を弾きながら、楽しそうにくるくると回っている。
✨ 「ありがとう、旅人さん」
どこからか声がした気がして、リオンは振り返った。
しかし、誰もいない。ただ、ガラスの花がチリンと鳴っただけだった。
✨ 「行こう、ピコ。雨が止めば、ここにも自然の草花が戻るはずだ」
雨上がりの空に、先ほどの橋とはまた違う、本物の虹がかかっていた。
エチュード島に、優しい雨音の練習曲が響き渡る。
リオンたちはまた一つ、この星に音を取り戻したのだった。
🎹 Solaris Series – S-05 🎶
音の旅は続く…